唐津灰被玉手箱香合

茶の湯の中で、静かに存在感を放つ「香合」。
本作は、唐津焼の中でも特に力強い表情として知られる
灰被（はいかつぎ）の景色をまとった、玉手箱形の香合です。

この香合は、穴窯で焼成された一級品。
長時間にわたる窯焚きの中で、溶けた薪の灰は器に降りかかり、流れ、溜まり、固まり、ひとつの景色をつくり出します。
人の手の先には、窯の中で火と灰だけに委ねられた景色があります。

かたちは「玉手箱」。
古典的でありながら、どこか遊び心を含んだ造形で、香を納める器としてはもちろん、茶席の中で話題を生み、場の空気を引き締める存在でもあります。

本作を手がけたのは、唐津・土平窯の藤ノ木陽太郎さん。
落ち着いた造形の中に、穴窯ならではの荒々しさと緊張感を内包した佇まいは、藤ノ木さんの作品の中でも、特に完成度の高いものです。

香合として、また、唐津焼・穴窯作品のひとつの到達点として。
静かに、しかし確かに力を持った一品です。

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木箱に入ってお届けいたします。

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【 サイズ 】 約W46mm × D55mm × H53mm
【重さ】約162g
【 素材 】 陶器
【 取り扱い 】 電子レンジ×、食器洗い洗浄機×、オーブン×
手づくりのため、色やサイズに若干の個体差があります。

作家について

YOTARO FUJINOKI　藤ノ木 陽太郎
佐賀県唐津市生まれ。多摩美術大学油画専攻卒業。
故郷・唐津市鎮西町の土平窯に戻り、父・土平氏のもとで学び、独立。
土づくりから成形、焼成までを一貫して行い、斑唐津、絵唐津、灰被など、唐津焼の本質に向き合った作品を制作。茶道具を中心に、現代に通じる唐津焼の表現を追求している。